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アブストラクトゲーム栄誉の殿堂

  「将棋の海外伝播などについてのブログ」に興味深い情報が掲載されていた。International Abstract Games Organizaion という組織の Standards Committee の選んだアブストラクトゲーム栄誉の殿堂10選に日本の将棋が入ったとのこと。選ばれたゲームは、その歴史的意義や影響力、ゲームとしての寿命、革新性などが総合的に評価されたのだそうだから、将棋がチェスと肩を並べて殿堂入りしたのは結構すごいことではないだろうか。

 基本的に将棋というのは日本ローカルな存在だったから、海外に輸出されて新しいアブストラクトゲームの誕生に寄与することもなかったし、既存のアブストラクトゲームの進化に影響を与えたこともなかった。だから、(世界のゲーム史の中で見た)歴史的意義や影響力という面では非常に弱い。それがなぜ殿堂入りの栄誉に輝いたのかと考えると、やはりそれを補ってあまりある将棋の持ち駒再利用ルールの革新性が評価されたのではないかなと私には思えた。 

 それと、"Hnefatafl"(Tablut)のエントリーも結構すごいことかも。高級そうな工芸品以外で盤駒が販売されているのを見たことがないのだが、北欧の方では普通に市販されているのだろうか?  将棋と同じくローカルかつ奇数の路を持つ盤を使用するゲームの殿堂入り、私も心から祝福いたします。

 五大将棋のうちマックルック、チャンギは殿堂入りを果たせず。革新性と影響力の面から考えるといたしかたないのかもしれないが、気の毒なので私が個人的に賞をあげることにしよう。

マックルック … チャトランガ直径のゲームでありながら将棋の誕生にも深く寄与したその功績に対し、ベストプロデューサー賞を。
チャンギ … 原形であるシャンチーに、駒機能改変・パス制度を導入などの魅力溢れるアレンジを加えた功績に対し、ベストカヴァー賞を。

 お二方、おめでとうございます。

 さて、その他殿堂入りしたメンツを見て驚かされるのは、"Hex" である。殿堂入りゲームの中では歴史的に一番若いゲームだ。海外にはそんなにプレイヤーがいるのだろうか? 日本には Hex 系アブストラクトというジャンルがそもそも存在しないので、私には全然ピンと来なかったりするのだが、評価はすこぶる高いようだ。

 以前、カナダの小さな出版社が出していた "Abstract Games Magazine" というアブストラクトゲーム専門誌を購読していたのだが(残念ながら今は休刊してしまった)、紙面には Hex とそのヴァリアントの記事が毎号のように掲載されていた。たしか、"Zillions Of Games" のユーザ制作によるヴァリアントの数も、チェスに次ぐ数百という規模の数が制作されていた記憶がある(ちなみに日本の将棋のヴァリアントは20本ぐらい。すべて海外のファンの作)。

 慣れの問題なのだろうが、私はどうにも六画マスのゲームが苦手だ。脳ミソが受け付けてくれないのである。Hex と同じ同じ連結系でもランドルフの "TWIXT" とか、ちょっと毛色が違うが "TRAX" など四角形がベースのアブストラクトゲームだと、感覚的にぐっとイメージが湧きやすくなるのだが。

 もう一度チャレンジしてみようかなあ。

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